令和4年1月20日号
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- 実践的な細工ずしを1冊に滋賀県・青山氏の本仕事に役立つ実践的な細工ずしを1冊に収録。一つ一つ作り方の手順も図入りで丁寧に解説。勉強熱心な若い従業員さんにお薦めです。組合価格 1,500円(税込)
通常定価2,100円を、組合へ申し込むと1,500円でOK
新春ごあいさつ
感染防止を徹底し本業を全うしよう
- 全国すし商生活衛生同業組合連合会副会長
大阪府鮓商生活衛生同業組合理事長 井上正典
新年おめでとうございます。
昨年は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により、営業時間短縮や酒類提供禁止など、皆様のお店の営業が大きく制限されました。さらに食材の高騰により、厳しい一年を強いられることになりました。
組合では、第11回全国すし技術コンクールを令和5年に再延期することになりました。大変残念ではありますが、皆様の健康を守るための決断でした。コンクール出場者の皆様方には、来年の開催に向けて、さらなる研鑽をお願いいたします。コロナ禍で各種事業が実施できない状況が続いておりますが、今年こそは組合員皆様のご理解とご協力のもと、各種事業を積極的に推進いたします。
政治、経済ともに多難な年になるかと思われますが、このような状況だからこそ、本業であるすし屋の本分を全うしましょう。飲食店の基本である衛生管理を見直し、お客様に安心してご利用いただけるお店作りを心掛けて下さい。
今年こそ、私達すし業界に多くの陽が当たる年になりますように。そして、新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束を願いまして、新年のご挨拶といたします。
未払賃金請求期間、当面3年に延長
- 従業員が未払賃金を遡って請求できる期間が、以前は2年であったものが、2020年4月1日施行の労働基準法改正により、当分の間、「3年」に延長されており、いずれ5年になる見通し。
また、「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」の法定三帳簿、労務関係書類の保存期間、割増賃金等の付加金の請求期間も、いずれ5年に延長されるが、当分の間は3年間となっている。なお、退職金請求権(現行5年)などの消滅時効期間に変更はない。
一人の従業員からの未払賃金の請求で資金繰りの悪化や、最悪の場合、経営の継続が困難になることも。未払賃金をなくすことは、経営を継続する上で重要な問題なので、労働時間の管理をしっかりと行い、未払賃金をなくし健全な経営を。
▼賃金請求等の消滅時効期間(労基法115条)2年→5年に延長(当分の間は3年)
▼記録の保存期間(労基法109条)3年→5年に延長(当分の間は3年)
▼付加金の請求期間(労基法114条)2年→5年に延長(当分の間は3年)
赤酢とは?
特徴や米酢との違い
- 関西でも赤酢を使う寿司が増えていることから、赤酢の歴史や米酢との違いについて、株)Mizkan食酢エキスパートの赤野裕文氏を招いて、お酢の勉強会が開催された。
文化元年(1804年)ミツカン創業者の初代・中野又左衛門が、酒粕を原料に粕酢を開発しました。赤酢の原料は熟成した酒粕で、少し赤っぽい色合いです。熟成することで旨味、甘味、香りが芳醇になるのが特徴です。当時、米は貴重で、粕酢のほうが安価でした。安価に作れる赤酢が生まれ、江戸前ずしが発展したことで、赤酢が広まったようです。
当社では1984年に「三ツ判山吹」という商品を復活させました。山吹は粕酢の中では最高峰でした。江戸時代は今と違い、発酵が良い時も悪い時もあったので、出来の良い山吹には三つのはんこを押したのが三ツ判山吹の由来で、伝統のお酢です。
関西は米酢の文化です。戦後、関西では赤酢が受け入れられず、「白菊」という米酢を作りました。最近は海外にも米酢が輸出され、一部は現地で生産されています。
赤酢は酒粕を熟成しているので、酒粕の中のたんぱく質が分解され、旨味成分のアミノ酸が多く、酸味は柔らかいです。米酢には旨味成分はそれほどありませんが、すっきりした味わいが特徴です。最近、すし屋で話を聞くと、米酢・赤酢どちらかだけ使うという店は少なく、特徴を出すために、米酢をベースにして赤酢を入れる工夫をしている店が増えているように思います。
マグロのトロはなぜおいしいかと科学的に検証すると、すし飯と一緒に食べるからおいしいのだと。すし飯の酸味とトロの脂身が混ざるからで、一番おいしいのが赤酢です。多くのすし屋は、トロにはやはり赤酢が合うが、白身魚にはちょっと…、という話を多く聞きます。
まだまだ関西では余り使われていない赤酢ですが、赤酢と米酢にはこういう違いがあるのだと記憶して頂ければ幸いです。
すしや万歳
年末の15名程の建築会社の忘年会。帰りに、土産の松前を15本と思ったのだが、聞き間違いで2本だった。私店の松前は、しゃりの中に、茗荷、しそ、白ゴマを混ぜ込むのだが、そのしゃりが余ってしまった。
さて、どうしたものかと考えた挙句、回転ずしでアルバイトをしている学生さんに、その混ざったしゃりで握ると、「これはうまい」と言うのだ。確かに邪魔はしないが、普通と違ってて良いかと。
そこで、カウンターのにぎり、定食にも間に混ぜたしゃりをあえて入れて握ると客が、「アレ」と言って、評判がいい。瓢箪から駒だが、今では大盛の中にも入れたりしている。一度お試しを。
年末の北海道の海産物の値上がりはきつかった。普通のうにの箱が8000円。水うにが6000〜7000円。いくら500gが5500円〜6000円。正月に“品切れ!!”はチョット格好が悪いと思い、注文するともう、うには売り切れだった。カナダ、アメリカ、チリ産はどうしても臭くて食べられない。
ガソリンの値上がりがすべての物価を押し上げ、市場はひっくり返った様な大騒ぎ。でも以外に、一般は冷静で有った。先進国の中では、経済の伸びが韓国にも負けて一番低いらしいが、今はこれでいいのではないか。1200兆円もの借金で身動きが取れない。この返済が終わるまで、いつまでかかるか。じ〜っと耐えるのも、いい薬。
まだ大分先の話と思っていたら、大阪万博まであと3年。2025年、大阪が騒がしい。万博に合わせて、大阪梅田周辺、ミナミ、今宮、神戸、京都まで活気に満ちてきた。
今から思えば、52年前の大阪万博。日本再生のカギを握っていた。出発点に有った。私も若気の至りで、出来上がってくるパビリオンに、すしを買ってもらえないかと、営業に走り回っていた。いい思い出で有る。一ヶ所だけ仕事が取れたのだ。
世界中の投資家の金が集まる。使いまくって、立派な物を作ればいい。誰も考えられない様なアイデアを出して、行動、実行。今、ど真ん中に居る若者達よ、考えろ、走れ、飛べ、行け。こんなチャンスは最初で最後と思って、自分の為に、日本の為に。